高額薬剤対策としての費用対効果評価制度の本格導入について、中央社会保険医療協議会は、有効性・安全性が確認された薬剤は患者にできるだけ早く提供するという観点から、当面は「価格調整」のみに使用する方向となった。また、財務省も、費用対効果が「悪い」ものは「保険収載を見送る」ことも含め検討すべきとしてきたが、2019年度予算編成への建議に向けた財政制度等審議会の説明資料ではそこまで強い姿勢は示していない。【ライター 設楽幸雄】
費用対効果評価についての厚生労働省の議論は、社会保障審議会医療保険部会と中医協との2つの審議会で進められてきた。
「保険収載の可否」に用いるべきかどうかは、医療保険制度の仕組みに関わるため医療保険部会での議論が必要となる。そのため、中医協での議論の前、10月10日の医療保険部会で「保険収載の可否」に使用することの是非が議論された。
厚労省は、薬剤以外の医療技術も含め、「有効性や安全性が確認された医療で、必要かつ適切なものは保険適用する」ことを基本原則としてきた中で、「予算の制約や経済性により保険適用外とするような取扱い」は基本原則を変えることとなり「国民の理解を得ることができるか」と指摘。「より適切な価格設定を行う努力を重ねていくことが適当」との考え方で、「価格調整」のみに使用する方針を示した。そして、この方針はほぼ支持された。
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