一方、特定施設入居者生活介護といった居住系サービスには、相談対応を行う体制と診療を行う体制の2つの要件を満たす協力医療機関を定める努力義務を課した。ただ、二次医療圏まで広げて医療との連携をマッチングできていない施設が一定程度あるほか、協力医療機関の設定には地域差も大きいとの指摘がある。
厚労省の調査によると、3つの要件を満たす協力医療機関を24年11月22日までに定めていない特養155施設の31.6%が検討をまだ行っていないことが明らかになった。老健では24施設の25.0%、介護医療院では20施設の25.0%が検討すら行っておらず、養護老人ホームに至っては93カ所のうち44.1%が未検討だった。
厚労省はこの日の介護保険部会で、介護保険施設が要件を満たす協力医療機関を設定できていない施設があるなど連携が進んでいない地域について、協力医療機関としての役割を担う医療機関の設定を調整会議で調整するなど、適切な方策を検討することを論点として示した。
意見交換で橋本康子委員(日本慢性期医療協会会長)は、医師が常駐していない特養の約3割、養護老人ホームの4割超が協力医療機関の設定を検討していない状況に驚きを隠せず、理由を調査するよう厚労省に求めた。
東憲太郎委員(全国老人保健施設協会会長)は、介護施設が協力医療機関を定めることは運営基準に定められており、27年3月末までに設定していないと指定取り消しになるため、さらなる周知を行うべきだと強調した。
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