岐路に立つ大学病院経営を「セコムSMASH」で支援
セコム医療システムがセミナー PR
セコム医療システム株式会社は9月10日、全国の大学病院を対象にセミナーを開催した。病院経営情報分析システム「セコムSMASH」の活用事例を通じて、大学病院の経営課題の解決を探った。
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セコムSMASHは、もともと親会社のセコムが提携する全国20の病院の経営改善に役立てようと2014年に開発された情報分析ツールだ。DPCデータをもとに経営状況を分析しながら、地域における自院の立ち位置、医業収益の構造分析、経営の現状などを視覚的に示すことができるのが特徴だ。
DPCデータがある病院ならどこでも導入でき、かつデータをサーバーにアップするだけでグラフ化した資料が用意できる手軽さも好評で、現在、300病院以上で採用。全国の大学病院の40%以上で導入が進んでいる。
今回のセミナーでは、セコムSMASHを導入している2つの大学病院が、経営課題を可視化することの重要性を強調した。
■「PDCA」の「C」から着手 改善点を可視化して気づきを得る
西山謙氏(九州大学病院 病院長特任補佐)
当院は1,252床を有し、国立大学病院の中でも最大規模の病床数を誇りますが、経営状況は決して楽観できるものではありません。とはいえ、経費節減のような単なる「ダイエット策」はもはや限界と考えています。そのため、病床稼働率の維持や手術件数の増加など「経営重点10項目」を掲げ、診療科単位で具体的な改善活動に落とし込んでいます。
私はPDCAサイクルの「C」、すなわちチェックから入り、院内で気づきを共有することを心掛けていますが、セコムSMASHはこれを後押しする強力なツールです。
各診療科の新規入院患者数や入院料などの状況を共有可能になりました。また、セコムSMASHでは、粗利益(限界利益)や手技料などの数値の変化が即座にグラフに反映され、成果が職員に共有されています。
病床稼働率の改善も顕著です。空床は発生しても固定費が変わりませんから、まさに赤字を生む根本原因ですが、現在は新規入院待機患者の状況をタイムリーに把握できるようになりました。また、病床稼働状況を「晴れ」「曇り」といったアイコンで示す仕組みも取り入れ、医師や看護師にとって直感的に分かりやすく、日々の業務改善を後押ししています。
■データの可視化による事務のオフェンシブな病院経営参画
植田幸裕氏(藤田医科大学病院 戦略企画部課長)
当院は1,376床を有し、病床稼働率は99.2%、年間手術件数は1万5,900件に達しています。この高稼働を維持しつつ、さらに質を高めていくことが求められています。それには現場、経営部門が一体となって改善策に取り組むことが必要ですが、セコムSMASHはそのつなぎ役にもなっています。
効率性係数向上への取組みにおいては、ただ病院全体の平均在院日数を減らすのではなく、セコムSMASHのデータから影響度が大きいDPCコードを選択、診療科側と協議する上での現状の問題点を可視化することで、改善策を事務側より発信し、協力を得ることで係数向上に繋がっています。また、入院収入の増加には新規入院患者の獲得が重要となってきます。今後どの地域に人口増加や減少が見込まれるのか等、国からの公式なデータも使用しながら、戦略的に地域連携強化対策を行っています。
支出削減においても、昨今高額医薬品の普及により薬品費の増加が顕著であるため、後発医薬品への切替可能な薬品のデータを可視化し、薬剤部と協働し積極的に診療科へ提案しております。また、セコムSMASHは月半ばでもデータを抽出できるので、リアルタイムの改善対応も可能になりました。稼働率99%超という極限の状況下では、1日の遅れが経営に響くことがあります。事務がタイムリーに経営参画し、病院運営の意思決定にも役立てています。
■病床は地域から託された「公器」 まずは価値の最大化を目指すべき
関塚永一氏(セコム医療システム株式会社顧問 国立病院機構埼玉病院 名誉院長)
国立病院機構埼玉病院で院長を務めた経験を踏まえて申し上げると、経営改善には職員間での「正しい認識の共有」が不可欠です。現在、医療政策ではさまざまな形で病床削減策が進んでいますが、現場が課題を認識せず共有しないままでは、いくら病床を削減しても改革は進まず、地域医療の質も向上しないでしょう。
患者の大半が高齢者であることを踏まえると、平均在院日数の短縮だけに注力しすぎるのは考えものです。在院日数を漫然と延ばすのは論外ですが、患者が在宅に戻って困らないために、十分な指導や検査を行ったうえで退院させることは、むしろ病院の責務ではないでしょうか。
経営面からみても、入院収入を高めるポイントは「延べ患者数」です。延べ患者数は「新規入院患者数×平均在院日数」で算出され、1日当たり入院単価よりも入院収入との相関が高いことが明らかになっています。大学病院のように1,000床規模になれば、病床稼働率がわずか1%下がるだけで、年間2億円規模の減収につながります。
経営改善は単なる縮小均衡ではなく、病床の価値の最大化にこそ主眼を置くべきです。セコムSMASHは、その実現を後押しする基盤になると確信しています。
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