【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
1. DPC/PDPSにおける支払い方式の変遷
DPCは2003年に特定機能病院など82施設に急性期入院医療の1日当たり包括払いとして導入された。その後、参加病院数は瞬く間に増加し、現在は急性期一般入院基本料等に該当する病床の約85%を占めている。それに伴い、当初の大病院を中心とする支払い制度から、中小のケアミックス病院も含む多様な病院に裾野が広がった。
DPCにより医療の標準化や効率化が推進された影響もあり、平均在院日数は短縮していった。この間には、入院期間Iを25%タイル値とし、入院期間IIが平均値、入院期間IIIを「平均在院日数+2標準偏差」とする当初のA方式から、医療資源投入量に合わせてB方式やC方式が導入され、18年度診療報酬改定では入院期間IIIの設定を30の整数倍とするなどのマイナーチェンジも施されてきた。
12年度診療報酬改定では、高額薬剤等に対する診断群分類にD方式が導入され、24年度改定では新たにE方式も採用された。
人に例えれば生まれてから23年目となり、4年制大学を無事に卒業し、社会人になろうとする26年、DPCはどのように進化していくのかが注目される。かつてのように標準化が進んでいないという議論は多くの診断群分類で成り立たないだろうが、支払い方式の性急な変更は現場に混乱をもたらすため、常に激変緩和的な措置が取られてきたことも事実である。
これからもその方向性が踏襲される可能性が高いかもしれないが、一定の制度改革は必要な時期に差し掛かっているように感じる。
2. 26年度診療報酬改定に向けた議論
厚生労働省が26年1月9日、中央社会保険医療協議会の総会に示した26年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)では、「DPC/PDPSについて、医療の標準化・効率化を更に推進する観点から、改定全体の方針を踏まえつつ、診断群分類点数表の改定、医療機関別係数の設定及び算定ルールの見直し等の所要の措置を講ずる」ことが提案されている。
具体的な内容はまだ明らかではないが、診断群分類点数表の改定の中に、入院期間IIの在り方を見直すことが含まれていることが予想される。
中医協の議論では、入院期間IIの設定を平均値から中央値に変更することを示唆するデータが示されている。図表1が示すように入院期間IIが在院日数の全国の平均値から中央値となった場合に、入院期間IIの設定が短くなる。これに伴い多くのDPC対象病院はパスの日数設定などを見直すはずで、在院日数の短縮がさらに進むことになる。
ただし、
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