膀胱がん、血圧上昇に関わる分子が進行させる可能性
広島大
広島大は、血圧上昇に関わる分子が膀胱がんを進行させる可能性を示したとする研究結果を公表した。高血圧治療薬が膀胱がん治療に役立つ可能性があるとしている。
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広島大原爆放射線医科学研究所の神沼修教授(疾患モデル解析研究分野)らの研究チームが、血圧調整に関わる遺伝子と膀胱がんの進行の関係を調べたところ、血圧調整を行う「AGTR1」という受容体の発現が高い膀胱がんの患者は発現が低い患者に比べて全生存期間が短かった。
また、広島大病院の患者の手術検体を用いて解析すると、AGTR1の発現が高い膀胱がんの患者は手術後の再発率が高いことも分かった。
さらに、AGTR1の発現が高い膀胱がん細胞を人工的に作ったところ、それだけではがん細胞の挙動に変化はなかった。しかし、AGTR1に結合する血圧上昇ホルモンの「アンジオテンシンII」(AngII)を作用させると、AGTR1の発現が低い膀胱がん細胞には影響がなかったが、AGTR1の発現が高い細胞は進行性が高まることが明らかとなった。
国内では、AngIIとAGTR1の結合をブロックするアンジオテンシンII受容体阻害薬(ARB)という薬が既に高血圧治療に広く用いられている。そこで、研究チームはARBの一種の「ロサルタン」を作用させて同様の実験を行ったところ、AngIIによる膀胱がん細胞の進行性が高まるのを抑えることができた。
また、また、AGTR1にAngIIが結合することによって細胞内の蛋白質リン酸化酵素ERKを介するシグナル伝達経路や上皮間葉転換、エネルギー代謝に関わる経路が活性化され、それらが膀胱がん細胞の進行性に大きく関わっていることも明らかになった。
今回の結果を踏まえて研究チームは、膀胱がん細胞でのAGTR1の発現量を早期に調べることでAGTR1の発現が高い患者への新たな治療薬としてARBが役立つ可能性に関する検証などが期待されるとしている。
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