中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は2月16日の総会で、いずれも国内メーカーが製造した補助人工心臓2件を保険適用することを了承した。体内植え込み型で国内メーカーの製品が保険適用されるのは初めて。
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保険適用されるのは、「DuraHeart左心補助人工心臓システム」(テルモ)と「植込み型補助人工心臓EVAHEART」(サンメディカル技術研究所)の2件。
「DuraHeart左心補助人工心臓システム」は、血液を循環させるポンプ(重さ540グラム、幅72ミリ)を体内に植え込み、体外に装着したコントローラ(2250グラム)でポンプの動作を制御する。磁気浮上型遠心ポンプによる連続流によって血液循環を補助するのが特徴で、機械的な磨耗がない上、血液損傷が少ないため、長期使用に適している。また、コントローラやバッテリーが小型で軽量のため、在宅療養のQOL向上が期待される。
保険償還価格は1810万円(保険収載までの間は1390万円)。
「植込み型補助人工心臓EVAHEART」は、本体の血液ポンプ(420グラム)を体内に植え込み、コントローラ(4690グラム)を体外に装着する。ポンプには遠心型で連続流を発生させることができるモーター駆動が使用されている。また、コントローラ内部に格納されたクールシールユニットと呼ばれる部分で、血液シールを保持するとともに、血液ポンプ内部の冷却を行うことで、人工心臓システムの機能を維持するのが特徴。
保険償還価格は、本体部分が1810万円(保険収載までの間は1390万円)、クールシールユニットが105万円。
植え込み型の補助人工心臓は、「ノバコア左室補助人工心臓システム」(ワールドハート社、カナダ)が唯一、国内で保険適用されていたが、デバイスの価格設定や技術料の評価などが採算に合わず、日本から撤退したため、実質的に国内では使用不能の状態だった。
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