東日本大震災の発生で、3月2日以降、開催が見送られていた中央社会保険医療協議会(中医協)が4月20日、再開した。会合ではまず、3月末で任期満了となった遠藤久夫前会長(学習院大経済学部教授)に代わり、森田朗委員(東大大学院法学政治学研究科教授)が新会長に選任された。森田会長は、「わが国の医療を持続可能な形で維持し、発展させていくために議論していきたい。そのため中医協では、権威のある議論をし、説得力のある主張を社会に対して発信していくことが必要」などと抱負を述べた。
森田会長は2009年6月に中医協の公益委員に就任。厚生労働省の「審査支払機関の在り方に関する検討会」の座長などを務めている。
■退任の遠藤氏、「制約多かったが、中医協の機能は高まった」
一方、3月末で会長・委員を退任した遠藤氏も会合の冒頭であいさつした。遠藤氏は、08年4月からの3期にわたる会長在任期間について、「権限や財源の制約の中、かなりきつい改定率の中で配分を議論しなければならならず、難しい意思決定をしてきたが、中医協の機能はむしろ高まった」と振り返った。
また会合の運営については、「調査の仕組みができていて、合理的で公平な配分をするためのエビデンスベースの仕掛けがいくつもある。こういう調査機能がある審議会はほかにない」と述べた。
今後、中医協として議論すべき課題として医療の費用対効果を挙げ、「ここ数年、急速にどの国でも議論されている。今後の価格付けの中に反映させていく必要があるのでは」と述べた。
(残り0字 / 全869字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】