厚生労働省は7月27日、中央社会保険医療協議会(会長=森田朗・東大大学院教授)の総会に、先進医療専門家会議で承認された「脳死ドナーからの小腸移植」など新しい技術2件を報告し、了承された。脳死ドナーからの小腸移植は、薬事法上の未承認・適応外の医薬品や医療機器を使用しない「第2項先進医療」としての承認。移植関係学会による合同委員会が選定した施設で、保険適用された技術との併用を認める。
先進医療専門家会議では、従来の技術に比べて有効性や効率性が大幅に向上すると評価。倫理面の問題もないとし、将来的な保険収載が妥当と判断していた。ただ、重い副作用や合併症が発生して死亡するリスクもあるため、安全性については「問題あり」と評価した。
厚労省保険局の迫井正深企画官は総会の席上、「それなりに慎重に使用する必要がある」と述べた。
このほか了承されたのは、阪大医学部附属病院から申請があった「心筋梗塞の急性期患者に対するエポエチンベータ投与」。先進医療専門家会議では、薬事未承認・適応外の医薬品や医療機器を使用する「第3項先進医療」として承認していた。
■医療機器58件の保険適用を了承
27日の総会では、医療機器計58件の保険適用についても報告があり、了承された。医科51件、歯科7件で、1日付で保険収載されている。
医科51件の内訳は、区分A2(特定包括)が「シュアーフューザーA」(ニプロ)など27件、区分B(個別評価)が「人工股関節」(ナカシマメディカル)など22件、区分C1(新機能)が「コンサルタCRT-P」(日本メドトロニック)1件、区分C2(新機能・新技術)が「冷凍手術器CryoHit」(日立メディコ)1件。
歯科は区分A2が「プロセンサ」(ジーシー)など4件、区分Bが「ニッケルチタンコイルスプリング」(歯愛メディカル)など3件。
厚労省はまた、大塚製薬から希望があった「リアルタイムRT-PCR法」など、臨床検査3件について8月中に保険適用すると報告した。
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