中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は9月7日の総会で、DPC対象病院で扱う新規の高額薬剤を包括評価の対象から外し、当面は出来高算定扱いとする場合の判定基準を変更することを了承した。厚生労働省は「実効上は基準緩和となる」としている。同日の総会では、既存の判定基準上、包括評価の対象となっていた7成分や、新たに薬価収載が了承された3成分の計10成分の一部のDPCについて、新たな判定基準により、次の診療報酬改定まで出来高算定扱いとすることも了承された。これらは、月内に予定されている官報告示後に出来高算定が可能となる。
これに対して、見直し後は「84パーセンタイル」を超えるか否かで判断。その際、原則として個別DPC単位で、新規薬剤の標準的な使用での薬剤費の見込み額と、使用していない症例の薬剤費の「84パーセンタイル」を比較する。
現行では、適応症単位で該当するDPCを一括集計して判定しているが、実際には同じ適応症でも個別DPCごとに、治療法の違いなどから、標準的な使用での薬剤費の見込み額と使用していない症例の薬剤費が異なる。厚労省は、今回の見直しで「よりきめ細かい対応が可能となり、特に平均在院日数の短いDPCで高額な薬剤を使用する場合、運用上、より鋭敏に評価できる」としている。
新基準で出来高算定が了承されたのは、同日の総会で薬価収載が了承された、▽抗がん剤ゾリンザカプセル(MSD)▽抗菌薬キュビシン(同)▽関節リウマチ治療薬シンポニー(ヤンセンファーマ)―の3成分のほか、昨年4月1日以降に新規に薬価収載された、▽骨粗鬆症治療薬フォルテオ(日本イーライリリー)▽抗がん剤トレアキシン(エーザイ)▽骨髄異形成症候群治療薬ビダーザ(日本新薬)▽慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬ロミプレート(協和発酵キリン)―と、同日以降に追加適応を取得した、▽A型ボツリヌス毒素製剤ボトックス(グラクソ・スミスクライン)の上肢痙縮、下肢痙縮▽抗がん剤ハーセプチン(中外製薬)のHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がん▽抗がん剤タルセバ(中外製薬)の治癒切除不能な膵がん―の一部のDPC。
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