中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は10月26日の総会で、がん対策をめぐり議論した。厚生労働省側は、外来放射線治療について、患者の全身状態が良好な場合に限り、看護師らによるチームが「注意深い観察」を毎回行うなどの条件を満たせば、医師が診察しなくても関連する診療報酬の算定を認める形を提案した。
厚労省による提案は、外来放射線療法の対象のうち、全身状態が良好で副作用がないか極めて軽い患者が対象。これらのケースでは、医師の包括的な指示を受けた看護師や放射線技師らのチームが、放射線の照射時に毎回観察して医師に報告すれば、「週1回以上」の診察でも関連の診療報酬の算定を認める。
一方で、患者の安全に配慮するため、▽常勤の放射線治療医1人以上の配置▽放射線照射前の患者への十分な説明や、医師、看護師らによるカンファレンスの徹底▽放射線の照射量などに関する学会のガイドラインの順守-などを求める。
また全身状態が悪かったり、1回に照射する放射線量が多かったりする患者に関しては現行の毎回診察を維持し、患者の状態を踏まえてどちらかを選択する仕組みにする。
この日の総会で、診療側の嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)は、「がん治療専門医はこれから増える見通しだが、現時点では全く足りない」と、厚労省案に理解を示した。
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