中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会が11月2日に開かれ、2012年度診療報酬改定に向け、精神療養病棟への入院患者の重症度に応じた評価について検討した。精神疾患の重症度を表す「GAFスコア」が40以下の患者の受け入れを評価する「重症者加算」を10年度報酬改定で新設したところ、GAFスコア30以下のより重症な患者の受け入れが進んだことを踏まえ、厚生労働省は重症患者の受け入れに対する評価を論点に挙げた。
改定前の09年6月30日時点と、改定後の今年6月30日時点の精神療養病棟入院患者のGAFスコアを調べた厚労省の調査によると、GAFスコア40以下の患者が全体に占める割合は、共に94.1%で横ばいだった。一方、30以下の患者が占める割合は、40.6%から55.8%に増えており、より重症な患者の受け入れが進んでいた。
意見交換では、10年度改定で重症度に応じた評価を導入したことへの反対はなかった。ただ、支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、入院患者のほとんどがGAFスコア40以下だったことに触れ、「重症者というのは、GAFスコア40以下というのが正しいのか」と問題提起した。厚労省側は、GAFスコアが 40以下だと、コミュニケーション能力などに欠陥があり、通常の社会生活を送るのが難しいレベルだと説明した。
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