【医療法人サンプラザ新札幌循環器病院・事務部長 馬場政美】
当院は札幌市の東側に位置し、同市内厚別区を中心に、石狩管内だけでなく、近郊の空知管内の市町村からも患者さんを受け入れている、循環器内科・心臓血管外科の専門病院(一般99床)です。昨年の年間症例数は開心術が53例、ペースメーカー埋め込み術(交換を含む)が118例、心臓カテーテル検査・経皮的冠動脈形成術が662例となっています。
その一方で、激変緩和措置とも言える「病棟群」が新設されたことで、7対1入院基本料と10対1入院基本料が期限付きで併算定できるようになり、当院では、昨年10月1日に病棟群へと移行しました。
■全床10対1に変更で5千万円の減収
今回の改定は、7対1の看護配置を想定した診療体制の強化に向け、医師の招聘(しょうへい)をしている最中の出来事でした。当院では改定後、全病床の7対1入院基本料の維持を模索しながら、並行して病棟群の導入に向けた検討や試算を行いました。
2015年度の診療実績を基に行った試算では、全病床を10対1入院基本料にランクダウンした場合、年間約5千万円の大幅な減収となり、看護職員を10人ほど減らさなければ、減収分の回収が難しいことが分かりました。看護職員を削減すると、今度は看護ケアの質の低下が予想されます。看護補助者の採用状況も厳しい中、看護職員の体制を見直すため、退職による「自然減」を待てるほど、時間的な猶予もありませんでした。
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