政府は9日の臨時閣議で「未来投資戦略2017」(成長戦略)を決定した。医療・介護関連では、ナショナルデータベース(NDB)や介護保険総合データベース(介護DB)など複数のデータベースを連結・分析できる「保健医療データプラットフォーム」を整備する。また、国民の健康寿命の延長につなげるため、医師の診療支援への人工知能(AI)の活用や、通信機器を使った遠隔診療の推進を掲げるなど医療分野でのICT(情報通信技術)の普及を進める方向性を強く打ち出した。【兼松昭夫、ただ正芳】
安倍晋三首相は臨時閣議で、各分野の政策の具体化と実行を関係閣僚に指示した。
保健医療データプラットフォームは2020年度からの本格稼働を目指し、年度内からシステム開発を進める。厚生労働省によると、NDBには医療レセプトのデータ約110億件分、特定健診などのデータ約1.7 億件(14年度実施分まで)、介護DBには介護レセプト約5.2億件分のデータが蓄積されている。成長戦略では、「健康・医療・介護のビッグデータを個人のヒストリーとして連結し分析できるようにする」としており、プラットフォームが稼働すれば、これら3分野をまたぐビッグデータの活用でプロセスの標準化が一気に進む可能性がある。
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