2018年度介護報酬改定に向けた審議が続く社会保障審議会介護給付費分科会で先月21日、通所介護(デイ)や通所リハビリテーション(デイケア)の論点が示された。今回は、その論点から、報酬改定に向けた国の意図などを探る。
■短時間化が推し進められるデイケア
通所系サービスの中でも、デイケアについては、短時間化への政策誘導が推し進められることがほぼ確実といえる。
その背景にあるのは、やはり診療報酬との同時改定だ。同時改定に合せて、医療保険の脳血管疾患等リハビリテーションおよび運動器リハビリテーションの約4万人が介護保険に移行される。それに伴い、病院などでのデイケアの併設が加速し、事業所数も増加することが確実視されている。
しかし診療報酬から介護報酬に移行した結果、大幅な報酬減となっては経営が立ち行かない。ソフトランディングで介護保険への移行を実現させるためにも、デイケアでは短時間提供のサービスの介護報酬を増額すると同時に、リハビリテーション専門職の複数配置による加算を設けることが予想される。そのための資金源泉は6時間以上の長時間型の報酬を削減することで確保するのではないか。
加えて、医療保険からの移行をスムーズに行うために、計画書や記録等の様式の互換性を高める作業も行われるだろう。また、後で述べる科学的介護のデータ集積を収集分析するため、ICT化の導入促進も進められるはずだ。もちろん病院と連携して退院患者への早期のリハビリテーションの実施を実現するため、医療との連携加算なども充実させる可能性が高い。
まとめると、デイケアでは、6時間以上の長時間サービスの報酬が削減され、その分が短時間サービスと医療との連携の充実への評価に活用されるということだ。
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