政府が12月にまとめた社会保障改革を中心とする新経済・財政再生計画改革工程表は、個別対策ごとのKPIに数値目標と達成時期を設定、それらの実現を期すこととした。超高齢化社会に向かって深刻な課題の1つとなっている認知症対策では、2020年度に診断と治療効果に関するバイオマーカーの臨床試験1件以上、また日本発の認知症疾患修飾薬の治験開始を目標とした。症例登録数の大幅増、認知症サポート医の2割以上増加なども目指す。【ライター 設楽幸雄】
アルツハイマー型認知症に対するバイオマーカーや、認知機能を改善する根本治療薬としての疾患修飾薬は現在、世界的にも開発されたものはないが、日本も含め各国で開発が進められている。
現在も、認知症の診断や薬剤開発のための臨床試験での効果判定には、認知機能検査やADLの状況に基づく判定方法が使用されているが、それらはアルツハイマー型認知症の病態の変化を反映するものではなく、開発が進んでいる疾患修飾薬の効果を正確かつ効率的に検証するのは困難とされる。
そのため、病態やその変化を客観的に検証できるバイオマーカーの開発が求められている。
政府は、「基盤強化期間」と位置付けた19年度から21年度までの新経済・財政再生計画改革工程表に、認知症の診断、また治療効果を判定するためのバイオマーカーの1件以上の臨床試験入り、日本発の認知症の疾患修飾薬の臨床試験開始を、20年度を目標として盛り込んだ。
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