総務省では、病床確保料など新型コロナ関連の補助金が大幅に減った上に人件費や薬剤費などのコストが膨らみ、経営が急激に悪化したとみている。25年度には診療報酬の改定は予定がなく、賃金や物価の上昇が続くなら病院経営は厳しさを増すことになる。
総務省は今回、公立病院の23年度の経営状況を病床規模別に集計した結果を公表した。前年度には「100床未満」(261病院)から「500床以上」まで6区分の全てで経常利益を確保していたが、23年度は一転して全てが赤字を計上した。
赤字総額の最大は「500床以上」の584億円で、ほかは「300床以上400床未満」が479億円、「200床以上300床未満」が353億円など。「300床以上400床未満」で黒字だったのは121病院のうち28病院、「200床以上300床未満」は97病院のうち19病院だった。
854病院全体での赤字総額は2,099億円で、1,931億円の利益を確保した前年度から4,030億円悪化した。
また、23年度に「経常収支比率」が最も低かったのは「200床以上300床未満」の93.6%で、前年度の103.0%から9.4ポイント悪化した。経常収支比率は経常費用に占める経常収益の比率で、これが100%を切ると赤字を意味する。
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