公立病院の86%は赤字である。医業収支で見れば、赤字割合は95%に上る。医療法人経営情報データベースシステム(MCDB)の2024年度の分析結果では、こうした過去最悪の経営状況が明らかになった。小児科や産科など、収益性の低い診療科も担う使命を持つ公立病院は、物価高や賃上げの影響も大きく、経営の自由度が限られる中で苦境に立たされている。岡山市立市民病院(岡山市北区)では、15年4月の新築移転に伴う多額の債務を抱えながらも、経営改善に挑んでいる。今城健二院長は、収支改善のポイントとして、「病床稼働率の向上」と「地域フォーミュラリの運用」を挙げる。【渕本稔】
岡山市立市民病院は10年前、築78年の旧施設を現在地へ移転し、建設費は
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