筑波大附属病院の平松祐司病院長は、2026年度予算案を巡る政府内の調整の成り行きを複雑な心境で受け止めた。上野賢一郎厚生労働相と片山さつき財務相の折衝では、同年度に行われる診療報酬改定で本体を3.09%引き上げることが決まった。
本体3%台の引き上げは30年ぶりの高水準。物価や賃金の高騰にあえぐ全国の病院にとっては福音だ。高市政権に感謝しているが、これまでのダメージをカバーし、2年後の29年度まで対応できるのか、不安を拭い切れない。【兼松昭夫】
■コロナ後、一気に表面化した経営悪化
筑波大附属病院では、平松病院長が就任した24年4月以降、経営悪化が一気に表面化した。その直前の同年3月末に、新型コロナ関連の補助金が終了したのがきっかけだった。
病床確保料など新型コロナ関連の補助金は、感染者の入院を積極的に受け入れる全国の急性期病院の経営を底上げした。
そうした中、筑波大附属病院の経営は、水面下ではどんどん悪化していた。「補助金に隠されていただけ。それが切れた途端、明るみになった」と平松病院長は話す。
24年度の赤字見込み額は当初の8億円からみるみる膨らんだ。大学本部に窮状を訴えても医療に特有の事情は理解されにくい。プレッシャーが高まった。
「まるで毎日真綿で首を絞められるような感覚。自分が作った借金ではないが、借金を苦にして亡くなる人の気持ちが分かった」。それほどに追い詰められた。
この年には、
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