中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は5月18日の総会で、最先端の医療技術について先進医療への指定の適否を審査する「先進医療会議」(仮称)の新設を了承した。現在の「先進医療専門家会議」と「高度医療評価会議」による体制を統合することで、先進医療の審査の効率化、迅速化を図るのが狙い。
先進医療会議では、個別の医療機関から申請された医療技術の有効性や安全性、将来の保険導入の必要性のほか、個別の医療機関について実施の可否などを審査する。
また、こうした技術を医療機関が申請するには、国内での数例の実績が必要だったが、実績がない場合でも技術を安全かつ有効に実施できると先進医療会議が認めれば、先進医療が実施できるようにする。
同会議は発足後、月1回程度のペースで開催される予定だ。
先進医療には、薬事法上の承認を受けている医薬品や医療機器を用いる「第2項先進医療」と、未承認のものを用いる「第3項先進医療(高度医療)」がある。現行では「第2項先進医療」については「先進医療専門家会議」で、「第3項先進医療(高度医療)」については「先進医療専門家会議」と「高度医療評価会議」の2段階で、技術や実施施設を審査している。
さらに、通常の審査体制とは別の枠組みとして、国内未承認または適応外の抗がん剤について、早期に先進医療の対象となるよう審査を簡素化する。
具体的には、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性が高いと判断された未承認または適応外の抗がん剤のうち、開発企業が見つからないものについて、海外での実績などを判断した上で先進医療の対象にする。また、先進医療が実施可能な医療機関群をあらかじめ設定する。このため、先進医療会議で審査するのは、これらに該当する医療機関からの実施計画書の適否のみとなる。
開発企業が決まったものについては、薬事・食品衛生審議会による事前評価で公知申請が認められた場合に保険適用となる新ルールが、昨年から導入されている。
同省によると、未承認薬・適応外薬検討会議は夏にも2回目の未承認薬や適応外薬の開発要望を募集する予定で、担当者は「これらの要望について、開発企業を募集する段階までには、先進医療会議を発足させたい」としている。
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