中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は8月24日の総会で、新規の医療機器5件と臨床検査1件の保険適用を了承した。6件の保険収載は10月1日付。一方、新規の医療機器2件に関しては、エビデンスの説明が不十分とする診療側が、追加資料の請求を厚生労働省側に求めたため、次回の総会で再び協議することとなった。
臨床検査は、区分E3(新項目)で単クローン性ガンマグロブリン血症の診断などに用いる「免疫グロブリン遊離L鎖κ/λ比」(400点、医学生物学研究所)の1件。
追加資料の提出を求められたのは「フィブロスキャン」(インターメディカル)と「エンドパット2000及びPATプローブ」(CCI)の2件で、どちらも区分C2に属する。
フィブロスキャンは肝臓の硬さを測定する超音波画像診断装置。従来の診断装置では硬さを色調などで表すが、この装置では数値で出すことができる。
一方、エンドパット2000は末梢血管の膨張・収縮の変化を分析して、血管内皮反応の測定と記録を行う装置。冠攣縮性狭心症などの診断を、既存の検査より低侵襲に行うことができるという。
診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「(既存の機器に対して優位性を持っているか)最終的に承認する立場として判断しかねる」として、追加資料の提出を要求。嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)も安達委員の意見に賛同した。
■8月から保険適用の医療機器は66件
この日総会ではまた、医科と歯科を合わせて66件の医療機器を今月1日付けで保険適用したと厚労省側が報告し、委員からの意見はなかった。その内訳は、医科では区分A2(特定包括)が30件、区分B(個別評価)が24件、歯科では区分Bが12件。
医科の区分A2では、内視鏡の「ミニラパロスコープ」(メディカルリーダース)、診断用X線装置の「ゼン」(ジャコアンドワールド)など。区分Bでは、人工靭帯の「レトロボタン」(Arthrex Japan)など。
歯科の区分Bでは、義歯床用熱可塑性樹脂の「義歯床用ポリカーボネート樹脂」(東伸洋行)などが適用された。
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