中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は10月5日の総会で、2012年度診療報酬改定に向けた本格的な議論をスタートさせた。厚生労働省側は、政府・与党が6月に取りまとめた社会保障・税の一体改革成案に沿って、入院、外来、在宅医療ごとに論点を提示。成案では、医療機関の病床を患者の状態に応じて再編し、急性期に医療資源を重点配分する方向性を掲げており、入院に関する中医協の審議では、これらを踏まえ報酬体系をどう整理するかが焦点になる。
一体改革の成案では、現在は107万床ある一般病床を高度急性期(18万-22万床)、一般急性期(35万-46万床)、亜急性期(26万-35万床)などに、25年度までに再編する方向性を掲げている。診療報酬と介護報酬の同時改定はそれまでに計3回行われる見通しで、厚労省保険局の鈴木康裕医療課長は同日の総会で、12年度を改革の第一段階と位置付ける考えを改めて示した。
厚労省側のデータによると、日本の急性期医療の提供体制は欧米諸国と比べ、▽平均在院日数が長い▽医師や看護師の病床当たりの配置が手薄―などの特徴があるといい、鈴木課長は「25年度の絵姿と比べると、急性期病床として考えているところが少し多い」と指摘。人口の多い都市部の医療機関を中心に機能分化を促す一方で、医療資源が少なく、機能分化を図りにくい地域には配慮する必要性を強調した。
鈴木課長はまた、亜急性期医療をカバーしている現在の医療機関に関して、「出来高で評価している部分と、亜急性期入院医療管理料で評価している部分、回復期リハビリテーション病棟入院料で評価している部分の3つが混在している」と述べ、それぞれのリハビリテーションの実施状況や患者の病態などを調査した上で、現在の仕組みを維持するかどうかを判断する考えを示した。
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