病院に勤務する医師の36.6%が、2010年度の診療報酬改定の後に時間当たりの業務量が「増えた」と感じていることが、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬改定結果検証部会による調査結果(速報)で明らかになった。同年度の改定では、病院勤務医の負担軽減が重点課題に掲げられたが、業務量に関しては「変わらない」が56.2%で最多。「減った」と感じている医師は5.9%にとどまった。
調査の対象は内科、精神科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、産科、婦人科、救急部門のいずれかで勤務している医師。全国の2668病院に調査票を送付し、勤務医5465人が有効回答した。「医師事務作業補助体制加算」や「栄養サポートチーム加算」など、勤務医の負担を軽減するための対策の実施が要件にされている点数の届け出の有無別に、改定前後の勤務状況の変化を集計した。
時間当たりの業務量が「増えた」と感じる医師の割合は、これらの加算を届け出ている病院で37.9%を占め、届け出なしの31.9%をむしろ上回った。
勤務時間に関しては、全体では「変わらない」が66.1%を占めて最多。「長くなった」と感じる医師は21.4%で、「短くなった」はその約半分の11.3%だった。
当直回数も、全体で最も多かったのは「変わらない」の66.2%だったが、「減った」が18.6%と、「増えた」の10.9%を上回った。「減った」と感じる医師の割合は、届け出なし(14.5%)よりも届け出あり(19.7%)の方が高く、逆に「増えた」は届け出あり(10.6%)よりも届け出なし(11.5%)の方が高かった。
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