厚生労働省は2日の中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会で、療養病棟における治療やケアの質を評価する指標(QI)の公表を要件として、褥瘡のある患者が慢性期の病院に入院した場合、褥瘡の治療後も一定期間に限り、診療報酬で評価することを提案した。
一方、日本慢性期医療協会の調査によると、療養病棟に入院している褥瘡患者のうち、入院時に既に発生している患者の占める割合は、全体の4割に上っている。
厚労省案は、褥瘡の回復後に医療区分が変更された場合、一定期間に限って、入院基本料の減額を抑えるというもので、急性期後の患者の受け入れを円滑にすることが狙いだ。
総会で委員からは、入院前に褥瘡を発生させた医療機関の評価と、入院後に逆に褥瘡ができた場合の評価も併せて検討すべきとの意見が出た。
■がん治療で拠点病院と医療機関の連携強化を
厚労省はまた、全国に388か所(4月1日現在)ある「がん診療連携拠点病院」について、地域の医療機関との連携強化を評価する案も示した。
具体的には、現行の「がん診療連携拠点病院加算」(入院初日500点)と「がん治療連携計画策定料」(退院時750点)の算定範囲を拡大する。
同加算については、がんの疑い(未診断)で紹介された患者の受け入れに加え、拠点病院における外来の化学療法や放射線療法が実施された場合も、算定できるようにする。一方、同策定料では、がん患者が拠点病院を退院し、同病院の外来でフォローアップが行われた後であっても、一定の要件の下、地域の医療機関に紹介しても算定可能にするとした。
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