厚生労働省は2日、中央社会保険医療協議会(会長=森田朗・東大大学院教授)の総会に、救急病院の連携に関する診療報酬の見直し案を提示した。救命救急センターなど高度の救急病院が算定する「救急搬送患者地域連携紹介加算」の紹介先に、療養病棟や精神科病棟を新たに加えるなどの内容。救急病院と後方病院の連携を強化し、救急病院が満床で搬送患者を受け入れられないケースが出るのを防ぐのが狙いだ。
総務省消防庁の調べでは、救急病院が満床で患者を受け入れられないケースは2008年以降の2年間に、産科や周産期では減少しているが、救命救急センターでは約3割増えている。
一方、日本慢性期医療協会の調査結果によると、療養病棟の入院患者は、死亡退院を除くと46%が自宅に復帰しており、厚労省保険局の鈴木康裕医療課長は、こうしたところにも後方機能の発揮を期待できるとの認識を示した。
救命救急センターを退院した患者の受け入れ先は、「救急搬送患者地域連携受入加算」(500点)を算定できる。今後は、この加算の算定対象に療養病棟などを加えることも検討する。新たな受け入れ先に何らかの要件を設定するかどうかも今後、検討する。
厚労省はまた、NICU(新生児集中治療室)に入室する重症児の後方機能を13対1、15対1の看護体制を取る一般病棟のほか、療養病棟や有床診療所に担わせる方向性も提案した。
中医協の調べでは、NICUを退院した超重症児は、同じ病院の小児病棟などで積極的に受け入れられているものの、病院間での連携は進んでいないことが分かっている。
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