厚生労働省は2日の中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)の総会に、薬価本調査の速報値を報告した。それによると、現行薬価と市場実勢価格の平均乖離(かいり)率は、2年前の前回調査と同じ約8.4%だった。また、同調査結果などを基に、厚労省が試算した2012年度診療報酬改定での薬剤費全体の削減額は、約5000億円(医療費ベースで約1.25%、薬価ベースで約6%の引き下げ)だった。材料価格の引き下げを踏まえた薬価と材料価格の改定率はマイナス1.3%強と、ほぼ10年度改定(マイナス1.36%)並みになると厚労省ではみている。
これに新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出加算)の約700億円、小児加算や市場性加算などの約20億円、不採算品再算定などの約300億円の緩和要素と、▽最初の後発品が薬価収載された先発品の追加引き下げ(4-6%)▽市場拡大再算定▽新薬創出加算対象品目で、後発品が収載された際の加算分の引き戻し―の引き下げ要素約610億円を加味し、薬剤費削減額を5000億円と算出した。
ただ、同日の薬価専門部会では、長期収載品の追加引き下げを求める意見が委員から上がったが、これは今回の試算では考慮されていない。結論次第では、最終的な薬剤費の削減額は変動する可能性がある。
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