厚生労働省は7日の中央社会保険医療協議会の総会に、2012年度診療報酬改定で実施する病院勤務医の負担軽減策を提案した。勤務医の負担軽減や、処遇改善をうながす体制づくりが要件となっている現在の8つの加算のうち、「医師事務作業補助体制加算」(医療クラーク加算)に関しては、医師の事務作業を補助する医療クラークを、一般病床の数に対し「30対1」などに配置した場合の評価を新設する方向性を示している。一方で、配置が手薄な「75対1」や「100対1」への評価は引き下げや廃止を検討する。10年度の報酬改定で新設された「栄養サポートチーム加算」(NST加算)については、看護配置「13対1」と「15対1」の一般病棟や、療養病棟などにも算定を認める。
勤務医の負担軽減策を推進する加算としては現在、医療クラーク加算、NST加算のほかに「総合入院体制加算」や「急性期看護補助体制加算」など8項目がある。
これらの加算は、医師の負担軽減計画の策定が共通の要件で、▽交代勤務の導入▽外来縮小-など6項目の中から選択した取り組みを、負担軽減の計画に盛り込む。
12年度の報酬改定では、勤務医の負担軽減を推進する加算を現在の8項目から増やす方向で検討する。厚労省はまた、新たな負担軽減の取り組みとして、当直明けの医師による予定手術を避けることを加える方向性も示した。
8加算のうち医療クラーク加算では、一般病床数に対する医療クラークの配置を「15対1」から「100対1」に6区分し、手厚い配置ほど高く評価している=表。
12年度には、現在の25対1と50対1の間に新たな区分を設定するとともに、評価にメリハリを付ける。同省保険局の鈴木康裕医療課長は総会で、「50対1と25対1の間にかなり距離がある。一定程度刻みを入れてはどうか」と提案。一方で、手薄い配置については、「使命が少しずつ終わりつつある」と指摘し、75対1への評価の引き下げや100対1の廃止を検討する考えを示した。
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