DPC評価分科会(分科会長=小山信彌・東邦大医学部教授)は9日、DPC対象病院による地域医療への貢献などを評価する機能評価係数2について、2012年度診療報酬改定での見直し案を大筋で了承した。評価項目の新設はせず、10年度に導入した現行6項目のうち、「データ提出指数」など3項目の評価方法を見直す。特に「地域医療指数」に関しては、救急医療などに実際にどれだけ貢献したかを新たに評価する。
評価方法を見直すのは、「データ提出指数」「地域医療指数」のほか、「救急医療指数」。それ以外の3項目は現在の仕組みを継続させる。
データ提出指数は、DPC対象病院による正確なデータ提出を評価する仕組み。現在は、▽データ提出が遅れたら、期限の翌々月の評価を半減▽「部位不明・詳細不明のコード」の使用割合が40%以上になると、1年間にわたり評価を5%削減-している。
12年度の診療報酬改定では、この使用割合の基準を見直すほか、評価の指標を拡大する。厚生労働省では、入院患者の自宅がある地域の「郵便番号」などのデータ提出の状況を、新たに評価する方向で検討している。新たな評価項目を12年度に周知した上で、翌13年度から実施する。
一方、地域医療指数は、地域医療に貢献するための体制を「脳卒中の地域連携」「がん地域連携」など7項目で評価する仕組み。すべてをクリアすると、最高の7ポイントを獲得できる。12年度には、「がん診療連携拠点病院」など3項目を新たに加え、全体で10項目に増やす。ただ、評価の上限は現在の7ポイントを維持する。
また、従来の体制面への評価に加え、病院ごとの実績を評価する仕組みを項目ごとに導入する。例えば「脳卒中の地域連携」では、現在は「地域連携診療計画管理料」など3つの加算のうち、どれかの要件をクリアしていれば1ポイントが与えられる。これに対して12年度からは、同管理料の対象に該当する患者がどれだけいるかを新たに評価する。
このほか、地域医療への貢献度を定量的に評価するため、各地域にあるすべてのDPC対象病院に入院する患者のうち、各病院がどれだけ受け入れているかを評価する。
12年度の診療報酬改定では、DPC対象病院は「大学病院本院群」や「高診療密度病院群」(仮称)、「その他の急性期病院群」に分類されることが決まっており、大学病院本院群と高診療密度病院群に対してよりハイレベルの体制確保を求めるなど、地域医療指数の取り扱いにも差をつける。
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