自院のホームページ(HP)は合法か―。医療機関のHPが広告規制の対象となり、「医療広告ガイドライン」の要件を満たしているのか、客観的な評価を求める動きがある。独自の倫理コードを定めて、信頼できるHPであることを認証するマークを付与する日本インターネット医療協議会(JIMA)への審査申し込みが増えており、2018年4月から7月20日までに40件の審査を終えた。JIMAはガイドラインを解説する講習会を行うなど、HPの適切な運営を呼び掛けている。【齋藤栄子】
医療機関の広告規制について、医療法が改正され、新しい「医療広告ガイドライン」(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)が18年6月に施行された。これに伴い、厚生労働省が委託する「医療機関ネットパトロール」(医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業)で医療機関HPの監視や指導を行うなど、国が規制を強めている。これらの動きに対し、医療現場はどのような反応を示しているのか、JIMAに話を聞いた。
JIMAは、1998年に任意団体として発足し、2003年にNPO法人化した。医療、保健、福祉分野でHPを運営する者が、利用者の立場に立って、質と信頼性の確保に自主的に努める「JIMAトラストプログラム」の普及活動を03年から行っている。インターネットは情報を簡単に入手できる一方で、十分に吟味されていない情報が安易に発信されることもある。誤った情報で利用者に不利益が生じることを防ぐため、独自に「eヘルス倫理コード」を定めて、インターネットで情報やサービスを提供する際の基準を示した。
このプログラムに賛同する医療機関は、セルフアセスメントシートに沿って自己評価を行い、JIMAによる審査、認定を受けると、信頼できるHPであることを認証する「JIMAトラストマーク」を掲示することができる。JIMAはこれまでに約180団体に認定マークを発行した。18年4月からは、改正医療法に対応した内容へと審査基準を改定して、新しい基準で40件の審査を終えた。規制に対する医療機関の関心の高さがうかがえる。JIMAは、今後は認定マークに有効期限を設けることで、より信頼性を高めていく考えだ。
「JIMAトラストプログラム」認定マーク
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