新型コロナウイルスの感染拡大によって「医療崩壊」の恐れがメディアで盛んに取り上げられる一方、一連の混乱は、ICT(情報通信技術)を活用する医療の普及を加速させるきっかけにもなったといわれています。医師専用のコミュニティーサイトを運営するメドピア(東京都中央区)では、オンライン診療用のツール「first call for オンライン診療」を5月にリリースしました。電話などによる初診時からの診療が、感染拡大期に限り特例で認められるのを見越した対応ということですが、同社では、今後の行方を冷静に見つめてもいます。【兼松昭夫】
「first call for オンライン診療」は、医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」の会員医師向けに5月19日から段階的にリリースされました。テレビ電話や診察メモなど、オンライン診療に必要な最低限の機能のみを搭載したシンプルさが最大の特徴です=図=。最初のリリースでは、電子カルテシステムや決済システムなどとはあえて切り離し、面談機能の使いやすさを徹底的に追求しました=図=。
メドピア提供
医師は、診療日時を患者と調整し、「first call for オンライン診療」にログインして患者の携帯電話やパソコンにアクセス先のアドレスを送信します。指定の時間に患者がそこへアクセスすると、診療が始まる仕組みです=イメージ=。
メドピア提供
執行役員の高橋宏幸さんによると、「first call for オンライン診療」は開発決定後、1カ月半でリリースにこぎ着けました。新型コロナの感染が都市部などで急拡大し、電話などによる初診の時限的な容認に向けた動きが政府内で本格化し始めたのが、開発を決めたきっかけだったということです。
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