【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■指導料・管理料算定強化の重要性の高まり
病期・病態にかかわらず、病院経営環境が厳しい。従来、急性期病棟は収入も多いが費用も多く収益性が低い。その上、2024年度診療報酬改定により「重症度、医療・看護必要度」が厳格化されたことで、急性期一般入院料1から入院料2に切り替えるところが続出した。このようなところでは、費用は変わらず、収入だけが減ることになるため、さらに収益性が悪化することは確実である。
収益性向上を図るには、稼働率を上げる、手術を増やすなどの対策が重要であることは言うまでもない。しかし、これらは積極的な救急搬送の受け入れや紹介・逆紹介強化などの取り組みの副次的な効果であり、直接的・即時的に効果が上がりやすいものではない。また、直接的な効果を期待できる在院日数を延ばす策は、すでに患者に不利益が生じず、診療報酬制度上もマイナス面が生じない程度に延ばしているところも少なくない。
そのため、取り組みとして、直接的・即時的な効果が期待できる指導料・管理料などの算定強化を図ることの重要性が高い。昨今は、多職種の積極的な介入への評価が増えており、医療の質的充実により、収益性も改善を図ることが期待されている。
■リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算を届け出た施設は240超に
24年度診療報酬改定において新設された急性期病棟を対象としたリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算は、医療の質的充実により収益性の改善に期待のかかる項目のひとつだろう。すでに届け出た施設は240施設を超えた=グラフ1=。施設数の多い大都市部ほど届け出施設数が多いのは自然であり、大阪、福岡などが多くなっている。ただし、通常であれば、東京、大阪、神奈川という順になるはずが、意外と東京・神奈川が少ないことに若干違和感がある。この違和感は、単なる偶然ではなく、また厚生局の「届出受理医療機関名簿」のタイミングの問題だけではないと思われる。そこで、その違和感について、深く掘り下げてみる。
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次回配信は2月19日を予定しています
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