決議文では、物価・賃金スライドの導入について、各分野の事業者は著しく逼迫した経営状況に追い込まれていることから次の報酬改定を待たず「期中改定」も視野に入れることとした。
このほか、▽社会保障費の伸びを高齢化相当分に収めるいわゆる「目安対応」を改めた上での財政フレームの見直し▽薬
価中間年改定での機械的な引き下げの廃止を含めた薬価改定の在り方の見直し▽著しい人口減少を踏まえた小児医療・周産期体制を維持する新たな仕組みの検討-の3点を求めた。緊急集会に出席した日本医師会の松本吉郎会長はその決意表明の中で、病院や診療所などの多くは赤字経営に転落し、苦しい経営を強いられているにもかかわらず、医療費の削減を起点とした安易な提案が一部でなされていることに「怒りを感じる」と、語気を強めた。
全日本病院協会の猪口雄二会長は、医療機関など
への貸付を行う福祉医療機構のデータでは、貸付ができないような「破綻懸念先」に該当する病院が5割に上るとし、「このような経営状況では他産業と同じような賃上げを行うことはできない」と強調。これにより人手不足はさらに深刻になるとし、「病院経営は本当に危機的な状況にある」と、切実に訴えた。老人保健施設でも経営状況は苦しく、「介護福祉士や理学療法士など専門職まで他業界に転職している」と指摘したのは、全国老人保健施設連盟の福嶋啓祐委員長。この7月には職員に賞与を支給しなければならないものの、原資が不足する今の状況では「自信を持って支給できるとは言えない」と、厳しい経営状況を吐露した。経営難による人材流出をはじめ、「介護現場は崩壊寸前」だとし、賞与を支給する7月までには介護職員のさらなる処遇改善に向けたある程度の方針を示すよう求めた。
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