【石川県立こころの病院院長、日本公的病院精神科協会会長 北村立】
精神科作業療法は精神科病院の安定した収入源だが、これを正しく理解している精神科医や看護師は少ないと思われる。園芸や運動、レクリエーション活動などを通して入院患者のリハビリテーションを行っているという認識はあるだろうが、作業療法士(OT)は精神障害者の地域生活を支え、多職種チームの中心になり得る職種だと言っても、ピンとこない人が多いのではないだろうか。精神科医療に従事する人にさえ正しく認識されていないのは、作業療法に残念な歴史があるからである。
世界保健機関(WHO)の勧奨を受けて「理学療法士及び作業療法士法」が制定されたのは1965年である。翌66年に
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