米の価格高騰が病院給食にも大きな打撃を与えている。直営で患者に食事を提供する病院では、より価格を抑えた米に変更したり、「銘柄米」ではなく複数の品種や産地の米を混ぜた「ブレンド米」への切り替えを検討したりするなど、価格の高騰を少しでも和らげる。給食業者に委託する病院では度重なる価格改定に耐えるも、採算悪化による業者の事業撤退での給食提供ストップも頭をよぎる。「令和の米騒動」に翻弄される病院現場を追った。【渕本稔】
「米がおいしくなくなった」。病院の管理栄養士として勤務する工藤さんは、患者からのこの一言に、返す言葉をなくした。工藤さんが勤める田無病院(86床、東京都西東京市)は直営で入院患者に食事を提供するが、米の仕入れ価格は
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