加齢で起こりやすくなる免疫異常による疾患を主な研究対象に据える。具体的には悪性腫瘍、免疫炎症疾患、神経・精神疾患、血管病変の4分野で、共通する発症メカニズムの解明による新規治療法を開発する。具体的には、(1)患者データと検体を集めて解析(2)研究データをAIで総合解析(3)病気のカギとなる分子を特定(4)新しい薬や検査法の創出(5)医療現場での活用-という流れを想定している。
各大学は特異的専門分野の研究基盤を有しており、これらを相互に活用することも視野に入れている。たとえば旭川医大は炎症・免疫制御薬の開発、鳥取大は低分子シャペロン技術の研究などだ。「強みを共有することで、相乗効果も期待できる」(谷澤幸生・山口大学学長)
今回参加する5大学の所在地はいずれも人口が減少し、高齢化が全国平均を上回る速度で進んでいるという課題がある一方で、患者データを集めやすい環境下にもあるという。田邉学部長は、地方大学の強みの1つとして長期間にわたるデータ集積が可能な点を挙げる。3-4世代続けて医療データを1つの機関で蓄積していることもある。都市部の研究機関の場合、データは複数の機関に分散しがちなため、1人の患者のデータを長期的、多角的な視点で分析するのは難しいが、地方大学の場合はそうした点がメリットとして働く。大規模かつ多彩な地域でのコホート研究にもつながる期待がある。
5大学の所在する道県の人口は約700万人。「多彩な気候、生活習慣の比較を通じて新しい病因の発見も期待できる。同じ疾患でも薬の効き方が異なることはよくある。1人の患者に対して多角的な解析を加えることで、最適化された治療、予防法の開発につながるのではないか。それぞれの地域の高齢者医療にも役立てることができる」と田邉部長は期待を寄せる。
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