【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
2026年度の介護報酬臨時改定率はプラス2.03%となることが公表されており、厚生労働省が3月13日に発出した介護保険最新情報(Vol.1476)ではサービス種別の改定後の新単価が示された。
これを見て分かるように、臨時改定は「処遇改善加算」の拡充によって介護従事者の処遇改善を具現化するものであって、介護事業者の収益増につながる基本サービス費などの引き上げが行われるわけではない。そのため、物価高対応などで介護事業経営者らによる対応努力が継続して求められることになる。
「処遇改善加算」の拡充については、幅広い介護従事者を対象に月額1万円の賃上げを行うものとなっている。併せて生産性向上などに取り組む事業所・施設の介護職員に月額7,000円を上乗せし、事業者の定期昇給分を含めて最大で月額1万9,000円の賃上げを図るとされている。
だが、新しくなる処遇改善加算は、25年12月の給与分からのベースアップにつながった介護支援パッケージ(補正予算による補助金)が26年5月までの支給となっているため、その分を6月給与分から加算として新たに支給するものであり、補助金が加算につけ替えられたものでしかない。つまり、「最大で月額1万9,000円の賃上げ」といっても、25年12月の補助金による最大1.9万円の賃上げに加えて、さらに26年度に1.9万円賃上げされるわけではない。補助金支給がない6月以降に、最大1.9万円の賃上げ原資がなくなって給料が下がらないように、補助金分を加算につけ替えるだけだ。しかも最大1.9万円の賃上げ原資は、拡充される処遇改善加算だけではなく、それ以外の資金を原資とする定期昇給を行わなければそこには届かないという意味であり、介護事業経営者にとっては非常に厳しい内容だ。
しかし介護職員の中には、25年の補助金による最大で月額1.9万円の賃上げに加えて、臨時改正でさらに月1.9万円上がって、合計で月3.8万円の給与アップが期待できると思い込んでいる人が少なくない。この誤解を解いておかないと、介護事業経営者が従業員の給与を搾取しているという誤解を受けかねないので注意が必要だ。そのため、こうした加算・配分構造を全従業員に周知しておかなければならない。説明不足から、要らぬ誤解を招くことは即ち、職場全体のモチベーション低下や職場環境の悪化につながり、強いては職員の定着率の低下を招きかねないからだ。
それとともに、給与改善については
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