【千葉大学医学部附属病院副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
連載第265回で2019年度と24年度の都道府県別の退院患者数を施設所在地と患者居住地ベースの双方で取り上げ、人口が増加した地域でも退院患者数が増加しているとは限らないことを明らかにした。さらに、二次医療圏で見ると70%の圏域では退院患者数が減少しており、平均在院日数の短縮が進んでいることからすると、入院延べ患者数は伸び悩み病床稼働率が上がらないことにも言及した。
本稿では、DPCの評価・検証等に係る調査(退院患者調査)のデータを用いて全身麻酔や救急車搬送入院などの増減の地域差を改めて取り上げ、これから私たち急性期病院が取り組むべきことについて、私見を交えて論じていく。
■退院患者数は回復基調、予定外入院は伸び悩む
図表1は、全国の急性期病院における診療実績について19年度と各年度の増減率を項目別に見たものである。退院患者数は19年度と20年度を比べると13%減、24年度には3%減少したが、回復基調にあることを確認できる。
手術件数は23年度までは減少したが、24年度には増加に転じた。この期間に短期滞在手術などの外来化が進んだことからすれば、手術は決して減少しているわけではないと考えられる。
全身麻酔件数はコロナ真っ最中の20年と21年度は微減だったが、その後は増加している。また、救急医療入院や救急車搬送入院のような重篤な緊急入院患者は23年度以降増加しているのに対して、救急医療入院以外の予定外入院患者は元に戻りそうな気配がない。
26年度診療報酬改定では救急と手術の実績が高く評価されたが、
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