中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は11月10日の総会で、今年度診療報酬改定の特別調査のうち、救急医療の充実・強化のための見直し、外来管理加算の要件見直しと地域医療貢献加算の創設、明細書発行の原則義務化に関する各調査票案について議論した。厚生労働省の調査票案を大筋で了承したものの、委員から一部修正を求める意見が出たため、遠藤会長が調整した上で、月内に開かれる次回総会で同省側が最終案を提示することになった。
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この日の総会で示された調査票案のうち、今年度改定での外来管理加算の要件見直しに関しては、▽「5分ルール」の廃止▽「お薬受診」の算定除外▽「懇切丁寧な説明」を満たす条件の変更―の3項目について、回答する診療所と病院が評価。診療所に対しては、地域医療貢献加算の創設に伴う診療時間外の電話対応の状況も調べる。
一方、救急医療の充実・強化のための見直しに関しては、▽救命救急室(ER)▽特定集中治療室▽ハイケアユニット▽新生児特定集中治療室(NICU)▽母体・胎児集中治療室(MFICU)▽新生児治療回復室(GCU)―の救急病院内の各施設について、午前10時と午後10時の医師数と看護職員数を回答するよう求めている。
■患者票に「地域医療貢献加算」を入れるべきか
意見交換では、診療所の患者への調査票に「地域医療貢献加算」の説明を入れるかどうかが争点となった。
調査票案では、あくまで「時間外診療」としたため、支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、「患者側は3点(30円)の加算をお支払いすることになっているので、言葉自体を知っていただくということで意義がある」などと主張。これに対して診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、患者側の理解不足や回収率の低下に懸念を示し、「時間外診療の方が、たぶん患者さんにすっと入ると思う」と述べた。
一方、救急病院内の医師数を把握するための調査項目について、診療側の嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)は、「医師は動いているので、『点』で見ると現場の実態から離れる」と指摘。関係学会から意見を聞いた上で、施設別に異なる時間帯を設定するよう求めた。
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