政府の行政刷新会議「規制・制度改革に関する分科会」のライフイノベーションワーキンググループ(WG)が1月に固めた中間取りまとめの中で、「医療保険におけるリハビリテーションの日数制限の見直し」などの提案を盛り込んだことを受けて、安達秀樹・京都府医師会副会長ら中央社会保険医療協議会の診療側委員7人は2月16日の総会に、こうした提案に抗議する意見書を連名で提出した。安達委員は総会の席上、「重大な提案が非常に短時間で出てくる。大変軽率に行われている」と、WGによる議論のプロセスを批判した。
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WGの中間取りまとめでは、医療・介護関連の規制・制度改革として38項目を提案。リハビリテーションの日数制限については、「症状の改善・回復は個人差があり、一様に日数で区切ることはできない」などとして、次の診療報酬改定での撤廃を検討するよう求めている。
これに対して意見書では、データに基づく評価や分析なしに撤廃の検討を提案するのは「無責任」だと批判。安達委員は「この政権の特徴かもしれないが、医療界のごく一部の意見が、往々にして表面に出てくる。大変危険だ」と強調した。
中間取りまとめには、現在は原則40点の調剤基本料についても、▽処方せんの受け付けが月4000回超▽特定の医療機関からの処方せんが70%超-を同時に満たす場合の24点に一元化するよう検討を求めているが、安達委員は「(24点への減算は)門前薬局に対するペナルティーで、対象になる調剤薬局は全国に1%しかない」「論理としてすら成り立たない暴論。無茶苦茶だ」などと強く批判した。
支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)も、「中医協で決めると法律で決められているのに政府の別のところが細かく言うのは、法治国家としておかしい」と同調したが、中間取りまとめの段階での意見書提出には慎重な姿勢を示した。
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