民主党は7月8日、成長戦略・経済対策プロジェクトチーム(PT、座長=直嶋正行元経済産業相)の総会を開き、東日本大震災の影響で積み残しとなっている規制・制度改革の対象項目について、提言の取りまとめに向けた詰めの協議を行った。焦点の一つとなっている、インターネットなどによる一般用医薬品(OTC)の販売規制に関しては、この日も意見が分かれ、全体の最終判断は直嶋座長らPT幹部に一任された。提言は来週中にまとまる見通しで、これを踏まえ、政府は対処方針を閣議決定する。
OTCのネット販売をめぐっては、政府の行政刷新会議が行った規制仕分けで、副作用リスクの最も低い第3類医薬品以外についても、薬局・薬店における郵便などでの販売の可能性を検討し、OTCのリスク区分も見直すよう求めている。
政府の閣議決定に向け、現時点で厚生労働省が提示している案では、第3類医薬品以外における郵便やこれ以外の販売方法を含めた規制の在り方や、薬剤師による対面販売の実施状況などについて、今年度から検討・検証を始めるとともに、医薬品の販売や流通規制に関しても、断続的に検討や見直しを行うことを明記。また、離島居住者らに限って、第2類医薬品のネット販売を2013年5月末まで認めている経過措置について、期間中の副作用の発生状況を今年度以降に検証するとしている。
PTやライフイノベーション小委員会のこれまでの議論では、IT(情報技術)を利用した対面診療の在り方を検討する一方、OTCを販売する薬局で働く薬剤師や登録販売員の就業機会に与える影響に留意するよう求めている。
■調剤基本料は「中医協で議論を」
このほか、処方せんの取り扱い条件によって点数(24点と40点)が異なる薬局の調剤基本料の一元化については、現時点における厚労省案で、「中央社会保険医療協議会(中医協)における診療報酬改定全体の議論の中で検討する」との表現にとどまっていることが分かった。
総会終了後、総合特区・規制改革小委員会の三谷光男委員長は記者団に対し、OTCのネット販売について、「規制仕分けで出された答えが一つの軸になっている」とした上で、「慎重な意見も、『不合理な規制として見直すべきだ』とする積極的な意見も、いずれももっと具体的に突っ込まないと結論が出ないので、突っ込むべきだという意見に集約されたと思う」と述べた。
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