沢井製薬の澤井光郎社長は14日の2012年3月期第2四半期(4-9月)決算説明会で、9日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、後発医薬品の使用促進策についての議論の論点として「医師が一般名処方を行うこと」などが挙がっていることに言及し、「(一般名処方を行う処方元に加算が付けば)変更不可の処方せんの割合がかなりゼロに近づくだろう。さらに、(保険薬局における使用促進策として)『後発医薬品調剤体制加算』の区分がランクアップすれば、大きな使用促進になる」との期待感を示した。
このほか、11月中の発売を予定しているアルツハイマー型認知症治療薬ドネペジル(先発品はエーザイのアリセプト)の後発品については、「33社が上市するといわれているが、バラ包装ができるとうたっているOD錠を発売するのは当社を含めて5社のみ。そうした特長を生かし、頑張っていきたい」と述べた。
先発品はアルツハイマー型認知症の軽度から高度まで使用できるが、後発品は軽度、中等度に使用が限られている。澤井社長は「医師からは、(先発品の)薬価が高くて、使いたい患者さんでも(処方を)やめているケースが結構あると聞いている。また、販売会社や卸も、後発品の登場で2倍くらいに市場が広がるだろうと言っており、十分ドネペジルの市場を取っていけると思っている」と自信を見せた。
■増収・増益も、通期売上高予想を下方修正
同社の12年3月期第2四半期決算は、売上高319億1100万円(前年同期比4.3%増)、営業利益68億9000万円(7.7%増)、経常利益70億2100万円(27.7%増)、純利益43億7400万円(34.4%増)の増収・増益だった。ただ、上期の売上高の伸長率が予想を下回ったことなどを理由に、売上高のみ通期予想を690億円(前回発表予想725億円)に下方修正した。
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