
「行政や福祉の人にもこの問題を知ってもらいたい」と話す王さん
日本人でも理解の難しい介護保険制度。ましてや日本語が日常会話程度しか分からず、母国語の読み書きもできない外国人だったら-。名古屋市に住む王栄さんは、中国残留孤児の父の介護を通して、外国人の高齢化の問題を知った。「介護保険が使えれば、経済的にも精神的にも助かるが、制度そのものを知らない人も多い」。介護保険を解説し、サービスの利用につなげるのもひと苦労だが、施設に通ったり入所したりするようになっても孤立してしまうことが多い。
中国残留邦人の帰国者だけでなく、国際結婚で来日した人、留学後も住み着いた人など、日本には多くの中国人がいる。中国人に限らず、外国人に共通する壁もある。「いつか多くの人が通る道。サポートする仕組みを作りたい」。王さんは、医療通訳者の仲間らと8月にNPO法人を設立。「介護通訳」の養成や、介護施設への啓発活動などを計画している。【大島迪子】
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