神奈川県の黒岩祐治知事は、政府の国家戦略特区を活用し、健康・医療分野のさまざまな規制改革に取り組もうとしている。改革メニューには、外国の医師免許を持つ人材による日本人患者への診療の実施のほか、個人の健康増進の取り組みによる保険料の差別化など、革新的な施策が並ぶ=表、クリックで拡大=。キャリアブレインのインタビューに答えた黒岩知事は、日本の医療について「閉ざされている」とその問題を指摘。「特区を“医療の出島”と位置付け、世界のダイナミズムを取り入れることで、神奈川から持続可能なシステムを構築していく」と意欲的だ。創設を目指す「メディカル・イノベーションスクール」の検討状況については、「今、事業者の顔を選んでいるところだ」と明かした。【聞き手・丸山紀一朗】
黒岩知事のインタビュー詳細は以下の通り。
-特区では先月末に「神奈川県健康・医療分科会」が設置され、議論が動き始めています。知事の健康・医療分野への思い入れには、どのような背景があるのでしょうか。 フジテレビのキャスター時代、今から27年前に行った救急医療のキャンペーン報道がすべての原点です。それまで全く知らなかったのですが、日本の救急車は患者を「運ぶだけ」に近く、そこに医療はありませんでした。一方で海外では当時から、特別な資格制度があったり、医師が同乗したりして、救急車の中で医療がスタートしていました。
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