中央ICU運営の問題を根本から改革する―。ICU(集中治療室)で麻酔薬プロポフォールを投与された小児患者が死亡した事例を受け、東京女子医科大病院が、医療安全に向けた取り組みを本格化させている。同病院は、ICU医師の診療体制や主治医との連携などで「運用上のリスクが多数露呈」したことが事故の原因となったと説明。主治医とその他のICU医療者との全ての情報交換の記載義務化などの改革が認知されるまでは、特定集中治療室管理料の算定を自粛するとしている。【新井哉】
■集中治療管理で経過観察中、「予期しない死亡事例」発生
2014年3月、同病院は「当院において予期しない死亡事例が発生した」などと小児患者が死亡したことを明らかにした。同年2月18日に実施した2歳の幼児に対する頸部の手術後、全身麻酔・鎮静剤を用いた集中治療管理を行って経過観察中、手術から3日後に急性循環不全となり、蘇生処置を行ったが改善せずに死亡。院内調査検証会を開催し、検討したところ、鎮静に用いたプロポフォールが作用したことが疑われたという。
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