(残り1508字 / 全1971字) 絶え間ない鼻水や目のかゆみ。頻発するくしゃみ。花粉症の人にとって「つらい季節」が到来した。環境省によると、今春のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、東北や関東、甲信、北陸、東海の各地で昨春より、かなり多くなる見通し。症状を抑えるためにさまざまな薬による薬物治療はあるが、いずれも対症療法にすぎないのが現状だ。花粉症を根本的に治すにはどうすればいいのか。東京都医学総合研究所の「花粉症プロジェクト」でリーダーを務める廣井隆親・副参事研究員に根治療法とその効果などについて聞いた。【松村秀士】
―花粉症を発症する仕組みを教えてください。
目や鼻からスギ花粉が人の体内に入ると、その花粉(異物)に反応するスギ花粉特異的IgE 抗体というものがつくられ、その抗体が、皮膚や粘膜など全身の組織に広く分布するマスト細胞の表面に事前に付着します。そして、再び花粉が体内に入ると、マスト細胞の表面にある抗体と結合します。その結果、マスト細胞からヒスタミンなどの物質が分泌され、体外に放出しようとして、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみといった症状が出るのです。
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