日本医師会(日医)の鈴木邦彦常任理事は3日の定例記者懇話会で、英国などとは異なる日本独自の医療システムを構築し、今後の高齢化や人口減少に対応する必要があると提言した。中小病院や診療所が「かかりつけ医機能」を発揮して、高齢者に医療を提供したり、介護サービスと結び付けたりするもので、紹介状がない患者が大病院を受診しないようにする仕組みも必要だと指摘した。また、「日医かかりつけ医機能研修制度」を通じて、中小病院などの機能を強化したい考えも示した。【佐藤貴彦】
鈴木常任理事は、これから高度急性期医療のニーズが減る一方で、地域に密着した医療のニーズは増えると指摘。人口が減り、高齢化が進むためで、それを見越した医療提供体制の再編では、海外の制度をまねずに「既存資源を活用して乗り切っていくのがいい」と述べた。
具体的には、既存の中小病院や診療所が「かかりつけ医機能」を発揮して高齢の患者に対応すべきで、それには「身近な所でいつでも入院できる」「検査から治療、健診までの便利なワンストップサービスが可能」といった患者側のメリットもあると説明。英国やフランスなどを複数回ずつ視察した経験も踏まえて、「日本には日本のやり方がある」と強調した。
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