介護にAIも 高齢社会DX協会シンポ
人材危機の視点ではDX定着せず
村中氏は直接介護より食事の配膳などの間接的業務にAIロボティクスの組み合わせが先行するとの見通しを示した。既に介護記録の分野ではAIを導入し、「ケアプランの手前の素案」をAIで作成し、それを職員や利用者本人が共有するといった事例を紹介。行政の姿勢については「ハードルもあり理解も進みにくいところがあるが、そこはデジタル中核人材を育成する。現場の思いを聞きながら推進している」と話した。
岩田氏は、「スタートアップなどの企業や研究機関、現場が連携することが重要」と、関係各所との連携に意欲を示した。経産省が策定するAIロボティクス戦略においても、「AX(AIトランスフォーメーション)の取り組みを、需要側と供給側の両方の目線を掛け合わせて作っていくことが現場の課題解決に大事」と述べた。
一方、持丸氏は「大事なのは共助、国際化」と提言。今後、本格的な高齢化を迎えるアジア諸国を念頭に、「私たちがどう課題を解決したか、どうすれば上手く解決できるかを伝え、支えていく責務があると思っている。ケア人材、ケアサービス、介護テックを我々の中で国際的に通用するような形で問題を解決していかなければならない」と訴えた。
森氏は「寛容化」をキーワードに挙げた。「皆が目指しているのは多分、年をとるのも悪くないと思うことができる社会ではないか。少し失敗することもあるかもしれないけれども、いろいろなことにチャレンジしておく。社会が回りそうだというエビデンスを示し作っていき、寛容な心を持つことが国として大事ではないか」と説いた。
丸山氏は介護事業者の立場から、「テクノロジーも含めた評価軸を人材不足の視点ではなく介護の質やアウトカムに振り切っていくことが重要ではないか」と提起し、「目の前の人材危機に目を奪われ、効率性だけに注力する現場になるとDXは定着しない。だからこそ介護職をプロフェッショナルとする変革を加速度的に進めることが重要」と訴えた。
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