中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」が17日開かれ、厚生労働省は、一般病棟7対1入院基本料の算定要件に年間の手術実施件数などを来年度の診療報酬改定で追加することを提案した。7対1入院基本料を算定しているのに手術件数が少なかったり、手術を全く行っていなかったりする病院があるため、同省では診療実績を担保する必要があるとみている。
具体的な要件としては、診療実績のほか、▽退院して自宅に戻ったり、亜急性期・回復期病棟に転院・転棟したりする患者の割合▽DPCデータの提出▽早期リハビリテーションの実施-を新たに加えることも提案。診療実績の要件に関しては、年間手術件数と共に、全身麻酔による手術の件数も例示した。
DPCデータに関しては、出来高病院が「データ提出加算」を算定している場合も要件クリアとして扱うことを想定している。
同省は7月末に予定している次の会合に、これらを盛り込んだ中間取りまとめの素案を提示する。早ければ8月上旬にも中間取りまとめにこぎ着けたい考え。
同省が2011年度のDPCデータを分析した結果、7対1を算定している1111病院(今年3月末現在)による年間手術件数は平均3354件だが、1000件未満の病院も200を超えた。また7対1の算定病院のうち、DPCデータが未提出なのは昨年度に21.4%あった。
意見交換で高智英太郎委員(健康保険組合連合会理事)は、7対1の届出病床数が06年度以降、増加する一方で、10対1は減少し続けている状況を指摘。「非常にゆがんだ構造の中で、これからどうしていくかを議論していくことになる。大なたを振るった議論も必要」と述べ、7対1の要件に手術件数やDPCデータ提出を追加すべきだと主張した。
石川広己委員(社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会理事長)は、早期リハビリテーションの実施要件を加えることに賛意を示す一方、DPCデータの提出については慎重な検討を求めた。【兼松昭夫】
(残り0字 / 全914字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】